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第8話

八神がここに住むようになって2日。毎日帰ってくるようになったこと以外には特に変わりはない。 意外と料理がうまい八神が家賃変わりと飯を作ってくれるし、洗濯物もしてくれる。風呂だって用意してくれるから俺はむしろ毎日が快適だ。 「なあ、お仕事何してんの?やっぱりヤクザ?拳銃構えてバーンしてんの?」 「…ヤクザはヤクザだが、滅多に拳銃なんて持たねえよ」 「じゃあナイフとか?スーツになんや細工してあってナイフ隠してんのやろ!」 「うるせえ」 そして、少しだけ八神と時間を過ごして気付いたのは、八神は寂しがり屋なのかよくくっついてくること。 今だって俺の首に腕を回して背中に体重をかけてきて「重い?重い?」と何度も聞いてくる。 「お前学校だろ、早く行け」 「やって、早河さんが俺に構ってくれへんもん」 「何だそれ。」 「なあ、車やろ?俺のことついでに送って?」 隙間なく俺の背中に抱きつく八神に呆れながらもそれに頷いた。 「優しいなあ」 「お前がしつこいんだろうが」 しつこい奴を相手にするのは体力を使う。だから扱い方を学んだ。頼んできたことはできる限り、受け入れてやれば、事は早く終わる。

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