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第13話
八神をおいて寝室を抜けてすぐに命に電話を入れた。命ならさっき八神の言った好きがどういうことかわかる気がしたから。
「はい」
「命、聞きたいことがある」
「何だよ、何でそんな焦ってんの?」
「──*さっきの好きはどういう意味なんだ」
「………は?」
たらたらと長く説明するのは面倒だったから簡単に話すと「そんなこと俺が知るか。」と言われてため息を吐いた。
「そいつのせいで悩んだり疲れたりするなら追い出せっていっただろ。」
「それは無理だって…」
「俺は、その高校生より、お前の方が大切だと思ってる。」
「…………」
「追い出すのが無理ならお前がそいつから少し離れれば良い。それかその高校生、少しの間だけだが俺のところで面倒を見てやるよ」
そう言われたけど、何も返事ができなかった。俺は今何をどうしたいのか、それもわからなくなってきて「悪い。」と言い電話を切った。
「…早河さん…電話ぁ?」
「…あ、ああ。もう大丈夫なのか」
「うん、平気ぃ…」
いつからそこにいたんだ、もしかして話を聞かれていたか…?でもそんな様子は全くなくてそっと胸を撫で下ろした。
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