15 / 149

第15話

しばらくして「大和ぉ」とやたらと甘えた声を発して、俺の背中にピタリと体をくっつけ、腹の方に腕を回される。 「……何してんだお前。」 「構ってってしてる」 「休んでろって」 「いやや、寂しいもん。」 ぐりぐり、額を背中に押し付けられて溜め息を吐くと「いやや!」と突然怒られた。情緒が不安定すぎる。 「何が」 「溜め息、いやや。…俺のこと嫌い?」 「……嫌いになるほどお前のことを知らない。」 「逆に言えば好きになるほど俺のこと知らんもんな。俺に興味ないの?」 「興味は……あるっちゃある」 「何それ。ないっちゃないの?」 こいつくそ面倒くさい。 「そんなことない」と言いながら頭を撫でてやるとにぃーっと笑って俺から離れる。 「俺、大和のことあんま知らんけど好きやで?」 「それは勘違いだろ」 「……ひっど」 拗ねて向こうにいく八神。 俺は今正しいことを言った。酷い事なんて何一つしていないとうんうん一人で頷いた。

ともだちにシェアしよう!