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第17話

八神の髪をくしゃくしゃ撫で続けていると、涙目で俺を見上げて首に腕を回してくる。 「変なこと、言うてもええ…?」 「何だよ。」 変なこと、なんて言うから自分のことを変だと言って笑いながら話すのだと思ったんだが、こいつは俺の予想の斜めを行った。 「セックスして?」 「は?」 何を言っているんだと八神を撫でていた手を止めて、首に回された腕を解き少し距離をとる。 「あかん?俺寂しいんやもん…」 「…いや、しねえよ。」 「なんでえ!!突っ込んでくれたらええだけやで!!大和やって気持ちくなるんやからええやん!!」 こいつの頭はどうやら大分ぶっ飛んでるらしい。ヘラヘラ笑う八神の肩をガシッと掴んで「いいか?」とゆっくり八神が理解できるように言葉を選んで話す。 「俺は、そもそもよく知らない相手にベタベタされるのも、するのも好きじゃない。それなのにセックスなんてするわけねえだろ。」 「…でも、よく知らん俺を家にあげてくれたやん、住まわせてくれてるやん」 「追い出そうと思えばいつでもできる。それが嫌なら俺に必要以上に触るな。」 「嫌や。」 「………。」 「俺、知ってるで?大和があんまり人との距離を詰めたがらんって。…でもさ、俺は今、…無理矢理かも知れへんけど、ここに住まわせてもらってるから余計大和と近づきたいなぁって思う。」 それがいらないんだと言おうと思ったけれど、これで八神が傷つくんではないかと言葉を飲み込んで、手に力を込めた。 「大和が俺のことほんまに嫌になったら、大和にはもう触らんし、ここから出て行くよ。そうじゃないんやったら好きにする!俺は決めました!」 「…もう勝手にしろ。」 そう言うと「俺の勝ちやー!!」とはしゃいでまた俺の首に腕を回した。 「で、セックスしよ?」 「しないって言ってるだろ。」 「…ケチぃ」 近づきたいって言うけど、手順がぶっ飛んでんだよ、お前は。と心の中で呟いた。

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