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第23話
仕事が終わって帰宅して、久しぶりに一人で飯を食う。
異様に静かな部屋、八神がいない頃も組の方で飯を食って寝ていたから、此処に一人でいるのがこんなにも寂しく思えるということを発見しつ。
ゆっくり風呂に入って酒を飲み、ソファーに深く沈む。落ち着いているはずなのに落ち着かない。普段あまり見ないテレビをつけて、ずっとそこで酒を飲み続けていた。
***
「───まと、やまと、大和!」
「ん…」
いつの間にか眠ってしまったようでゆっくり目を開けるとそこには八神がいた。
「えげつい量飲んでんなー!立てる?ベッドいこう?」
「八神…」
「ほらここで寝てたら風邪引くから…」
「学校で、何かあったのか…?」
時計をチラリ見れば0時なんて余裕で超えていた。今はもう午前2時、八神は今帰ってきたようで上着も何も脱いでない。それ程忙しかったのだろうか。
「んー、ちょっとね。」
「大丈夫、なのか?」
「大丈夫大丈夫!それより大和が大丈夫ちゃうやん。こんな飲んでさぁ…俺がおらんで寂しかったん?」
調子に乗ってそんなことを言う八神だけれど、それはあながち嘘でなくて、だからコクリと頷けば困ったように笑われる。
「そっか。なあほら、ベッド行くで!」
「わかったから…」
「わかってるんやったらそこで寝ようとしやんの!」
ペチペチと頬を叩かれる。鬱陶しくてその手を掴み引き寄せた。
「うおっ!?」
「お前も、寝ろ…」
「寝るよ!寝るけど!ここはあかんって!」
結局八神に連れられベッドに寝転んだ。酒のおかげで今日はゆっくり眠れそうだ。
「明日家出るのいつもと同じ時間なん?」
「ん」
八神の言葉に返事をするとすぐに眠気が襲ってきて、あっという間に眠りに落ちた。
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