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第27話
「あれ〜?なんか今日機嫌良いね〜」
幹部室に入ると赤石がそう言って、書類をどさっと渡してきた。
「珍しく仕事したから褒めて」
当たり前だろうが、と言うとこいつはもう2度と自分から仕事をしてくれなくなるかもしれないからと「よくやった」と褒める。
「でしょ〜、だから寝かせて?お願い!15分寝たらまた仕事するから!!」
途端、腕にに縋りつかれた。
「…15分な…それだけだぞ」
「わかってる!!ありがとう!!」
「うぇーい!」と叫んでソファーに転がった赤石。すると側にいた八田が「羨ましい、俺だってまだ眠い。寝たい。」とブツブツ言いだしたから赤石と交代で寝かせてやろう…なんて思う俺は、赤石が言うように今日は機嫌がいいのかもしれない。
「やっべ!!セーフ!!」
突然勢いよくドアが開いて命が現れる。その音に赤石はビクともせずに眠っていた。
「早河!あのさ!!」
「落ち着け」
「おう、えっと、…休み3日ぐらいくれ。ユキとどっか行ってくる」
「…それは親父にも聞け」
「おう!聞いてくる!」
荷物だけ全部ボンボンっと自分の机に置くのは面倒くさいのか、すぐ隣にあったソファーに乗っけていく…が、そこには赤石が眠ってたわけで。
「んっ…ちょっと、何……わ、みっちゃんの匂いする…」
上着が顔にかけられてムッとしたくせにそれが命のだとわかるとふんわり笑って、それを抱きしめてまた眠る赤石は何だかすごく幸せそうだった。
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