28 / 149

第28話

「早河〜ちょっと頼みたいことがあんだけど〜」 そうして幹部室に来られたのは浅羽組若頭の晴臣さん。呼んでくれたら言ったのにと思いながら「何でしょう」と若に近づく。 「あのさぁ、俺の学校はまあ、そこそこの不良校なわけで。」 「はい」 「敵対してる所があるわけです。」 「はい」 「そいつらのことを知りたいから、調べてくんね?」 普通なら自分でやれって言う所だけど、この人は若頭で、いずれはこの組を引っ張っていくお人で。立場は自分よりもはるかに上だ。 「わかりました。その、敵対してるやつらの名前だけ教えてもらっていいですか。」 「おう、ごめんな、仕事忙しいのに。」 「いえ、気にしないでください。…ところで今日は学校は…?」 「今から行ってくる!」 「…最近ずっと遅刻して行ってるみたいですが、そろそろやばいんじゃ…?」 「だな!これからは真面目にいくわー!」 ケラケラと笑い紙にさささと文字を書いていく若。 「これ、頼むな」 「わかりました。」 「じゃーなー!行ってきます!」 「行ってらっしゃい。お気をつけて」 部屋を出て行った若に頭を下げて、それから渡された紙に目をやる。 「…………」 何だか見たことがある学校の名前があるんだが…? どこで見たんだっけ。と考えながら自分の席に座った。

ともだちにシェアしよう!