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第28話
「早河〜ちょっと頼みたいことがあんだけど〜」
そうして幹部室に来られたのは浅羽組若頭の晴臣さん。呼んでくれたら言ったのにと思いながら「何でしょう」と若に近づく。
「あのさぁ、俺の学校はまあ、そこそこの不良校なわけで。」
「はい」
「敵対してる所があるわけです。」
「はい」
「そいつらのことを知りたいから、調べてくんね?」
普通なら自分でやれって言う所だけど、この人は若頭で、いずれはこの組を引っ張っていくお人で。立場は自分よりもはるかに上だ。
「わかりました。その、敵対してるやつらの名前だけ教えてもらっていいですか。」
「おう、ごめんな、仕事忙しいのに。」
「いえ、気にしないでください。…ところで今日は学校は…?」
「今から行ってくる!」
「…最近ずっと遅刻して行ってるみたいですが、そろそろやばいんじゃ…?」
「だな!これからは真面目にいくわー!」
ケラケラと笑い紙にさささと文字を書いていく若。
「これ、頼むな」
「わかりました。」
「じゃーなー!行ってきます!」
「行ってらっしゃい。お気をつけて」
部屋を出て行った若に頭を下げて、それから渡された紙に目をやる。
「…………」
何だか見たことがある学校の名前があるんだが…?
どこで見たんだっけ。と考えながら自分の席に座った。
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