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第32話

「うへへ…やからさぁ、俺は別に浅羽とは喧嘩してないし、したくもないしさぁ」 「へぇ」 「あいつ知っとる〜?その、組の方ではどんなんか知らんけどぉ、学校では割と怖いっていう噂やでぇ?俺会ったことないけど!」 ケラケラと笑う八神に近付いてその手に持っている酒を取って机に置く。 「もう飲むな」 「やーだぁ」 「こら」 「あー!!」 ヘニャっと体をくねらせ俺の方に倒れて来た八神を抱きとめて、もうこのまま寝かせようとベッドに運ぶ。 「んぅ、待ってやぁ」 「待たない」 「やだやだ!」 「……」 「ちゅーしたいぃ…」 ベッドでジタジタと動く八神は薄く口を開けうるうるとした目で俺を見て腕を伸ばしてきた。 「ちゅー、して…?」 それをしたらお前は静かに寝てくれるのか?なんて思いながらも、まあ、いいか。と八神にキスを落として、もう寝ろと頭を撫でた。 「うん、寝るぅ」 「ああ。おやすみ。」 「…おやすみ……」 そのまま5分も経たないうちに眠った八神に布団をかぶせ、俺はリビングに戻って片付けをする。 風呂にも入りたい、片付けは早く終わらせて、お湯を張るのは…八神が折角洗ってくれたから、明日あいつを早く起こしてゆっくり湯船に浸かれるように朝に沸かしてやろう。 「シャワーだけ…」 着替えを持って風呂場に向かった。

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