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第37話

車をいつもなら誰かに預けるけれど、今日は八神がいるからそうはいかなくて、自分で停めにに行きこっそりと門を潜って、若の部屋の前まで八神を連れてきた。 ノックをすると「ほーい」と声が返ってくる。 「早河です。」 「どーぞー」 返事をもらってドアを開けると何故か逆立ちをしてる若。それを俺の背中越しに見た八神はぶはっと笑った。 「おー、早河おはよう、そいつが八神?」 「はい。あの…何をされてるんですか」 「逆立ち、何秒腕だけで立ってられるかなぁって」 八神はさっきから笑いを抑えられないようでケラケラと笑っている。 「浅羽って変やな!」 「あー?噂で聞いてたけどお前本当に関西人なんだなぁ。…よいしょっと。…で?どうする?一時休戦するか?」 体勢を直した若は胡座をかいて座る。八神の背中を押して部屋の中に入らせ、若の前に座るように言うと大人しくそれに従った。 「おう、無駄な喧嘩はしいひん主義やからな〜」 「おー、俺も俺も。面倒臭いのは嫌だしな。…名前、なんていうんだ?」 「琴音やで」 「へぇ、じゃあ琴音って呼ぶわ。俺のことハルって呼べな」 「ハルな!よろしく」 そのまま2人で学校事情を話し出す。邪魔しちゃ悪いとこっそり部屋を抜けて幹部室に向かった。

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