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第38話
「早河おっはよー」
「おはよう」
「あのさ、聞いてよあのさ!みっちゃん休みもらったって!3連休!!俺はないのに!!」
「親父に言えば休みくれるだろ」
「…だけどさぁ」
「言いに行くのが嫌なら知らねえよ」
「もー!」
「早河が言ってきてくれたらいいのに!」と文句を言われて、まあ頑張れ。と赤石の頭をポンポンと叩いた。
「そういえば…ねえ、今からする話秘密にしてくれる?」
「…命にもか?」
「当たり前!!で、どう?してくれる?」
「ああ…」
そうして赤石が俺の耳元に口を寄せる。
「俺ね、好きな人できちゃった!」
「…よかったじゃねえか」
「でもね、それが…随分な遊び人で…」
「ああ」
「性格は早河みたいだし」
「………」
耳元から離れてムシャクシャした感じで、赤石は叫びだす。
「どうしたら!俺を見てくれるのさ!」
「…うるせぇ」
「俺が!年下だから!?なめられてる!?あの人を組み敷く事なんて簡単なんだからね!?」
「おい赤石…」
「そうだ…次は絶対俺が攻めてやるんだ…。あいつをヒンヒン啼かせてやる!!!」
「赤石!!」
あまりのうるささに怒鳴ると「もぉ、怒んないでよ早河くぅん」と気持ちの悪い声で言いながらクネクネと腰を揺らして俺に擦り寄ってきた。
「…でも、そんなことしたら嫌われるかなぁ」
「そうかもな」
「俺、本当どうすればいいの?こんなに悩んだの人生で初めてだよ」
「そうか。…仕事しろ」
「俺の今日の仕事は早河にまとわりつくことだから。」
「邪魔でしかねえよ」
「そんなこと言わないで」
随分参ってるらしい赤石は、本当に俺にまとわりついて離れようとしない。参った、そう思っていると「おはよー」と命がやって来た。
「…どういう状況だ」
「赤石、お前の好きな命が来たぞ」
「今はみっちゃんじゃダメなの!!」
赤石がそう言うと命が少し困った顔をして。
「俺、何も知らねえのに拒否された」
「今日は機嫌が悪いらしい」
「そんなんじゃない!」
どうすればいいんだ。と悩んでいると携帯が震える。確認すると八神からのメッセージで、何処にいるのかと聞かれた。幹部室ということを伝えると、これからどうしたらいいのかと返事が来て…。
「赤石、若の部屋行ってくるから離れろ。」
「俺も行く」
「来なくていい」
「若に相談する」
「なら後でにしてくれ。」
しぶしぶ離れていった赤石はソファーに倒れこむ。命が心配して赤石と俺をキョロキョロ交互に見てはどうしたらいいのかわからなくてため息をついていた。
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