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第40話
「おーい、行くぞー」
「は、はい」
突然部屋に入ってきた若。いやこの部屋は若の部屋だから当たり前なんだが、くっついたままで焦って八神を全力で押して離させた。
「…痛い、心も痛いし体も痛い」
「あ?琴音、どっか怪我したのか?」
「違うよぉ。何でかなぁ今めっちゃ痛かってん」
「ふーん。とりあえず行くぞ」
「うん」
若に腕を引っ張ってもらって立ち上がる八神。ハァと伸びをした八神は俺の背中をバンと強く叩いた。
「さっきのお返し!」
「…………」
こっちからすれば「あ、そう。」としか思わない。
「おーい琴音。お前あんまり見られないようにコソコソしろ」
「コソコソしたって無理やろ。」
「それもそうか…まあ、バレたらその時だな」
「おう!」
廊下を歩き、なるべく人に会いませんようにと願った。
***
「誰にも会わなくてよかったわー」
「なー、俺も安心した!あ、一時休戦するってちゃんと報告する為にお前も来るんだろ?多分殴られることはないと思うけど、まあ、気をつけろよ」
「殴られる前に守ってな」
「努力はする」
二人仲良く話をしてる。八神が殴られるかもしれねえのか…あまり興味はないが。
「二人とも気をつけて。」
「おう!行ってくる!」
「行ってきまーす!」
若の高校の近くについてそこで二人を降ろす。組を交えて若と八神が仲良くなったというのがバレたら色々と面倒なことになるからな。
手を振る八神に手を振り返して俺は来た道を戻った。
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