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第42話
まあ、思った通りっちゃそうやけど、そこまで怒らせることしたんかなぁって、ちょっと不思議。
「消えやがれ!!」
「テメェら信用できねえんだよ!!」
言いたい放題言うてくれる。ハルはそれをニコニコ笑顔で聞いてて、俺は割と真剣にその言葉に耳傾けてた。
「はいはいはい。お前らそんな一斉にわーって言われてもわかんねえだろ。何がどうなってそう思ってるのか、理由もつけて言ってくれ。挙手制な」
挙手制って…クイズやないんやから。と笑う俺に「何笑ってやがるんだ!!」とまた声が飛んできた。お前らのリーダーの言葉に笑っとんねん!と言うのも面倒やからヘラヘラとそこで立って様子を傍観する。
「さっきからそいつ胡散臭いですもん!!こんな奴と手組んだって悪い方向に行くだけですよ!!」
う、さんくさい…?
俺が?
ちょっとショックやなぁ。ハルにさすがに傷付いた…と胸押さえて上目遣いでアイコンタクトを取ると「気持ち悪いな!」と一刀両断されて、「ハハハ…」と笑ってるのかただ声を発してるのか、わからんくらいに笑った。
「お前さっきから黙ってるけどよ、俺たちを信用させるために何か言葉の一つや二つ言ったらどうなんだよ」
「えー?…どうせ聞いてくれやんのにぃ?」
それは本音。どうせお前ら俺が話してる途中にワーキャー言うて聞いてくれへんのやろ?面倒くさくて言う気にもならへんわ。
けれどそう言うと怒り出したそいつらにハルが大きな声で叫んだ。体育館内はシーンと物音一つ立てなくなる。
「いいか、テメェら好き勝手言うのは自由だがらリーダーの俺が決めたんだ。俺は坂城と…琴音と手を組む。それはもう決定事項だ」
なんや、ハルかっこいいなぁと笑ったらハルに「おい琴音」と真剣な声で呼ばれた。
「何?」
「俺は、リーダーのお前は知らねえけど、八神琴音は信用してる。…だからこそ言う。俺たちをもし裏切ってみろ、その時は今以上の歓迎が待ってるからな」
今以上の歓迎、ねえ。
どうしようもなく頰が緩む。
「俺がハルを裏切るわけないやろ、あの人がおる限り、俺にそんなこと出来へんしな」
そう、大和がおる限り、俺はそんな考えを一切起こさない、起こせない。
「ってわけだ!はい解散!」
「おいおい、今のでよかったん?」
「ああ、あいつら結局はいつも俺の好きなようにさせてくれる。だから俺も、お前が俺の仲間に何かしたら仲間の為にも命張ってやる」
「……最高のリーダーやなぁ」
俺のところはなんて言うかなぁ。
ハルのとこと手、組みましたー!って事後報告になるけど、どうせ許してくれるんやろなって、俺も最高の仲間おったわって、暖かい気持ちになった。
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