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第46話
「あれ、起きとったん?」
「ん」
「寝てて良かってんで?」
首を傾げてガシガシまだ少し濡れてる髪をかいた八神。立ち上がって八神を抱きしめてポンポンと背中を撫でる。
「どうしたん?」
「おかえり」
「あ、ただいまぁ」
そう言えばおかえりを言ってなかったし、ただいまも聞いてなかったと思って。
はぁ、と息を吐く。八神のいつもの匂いに落ち着いて少し寝惚けた頭で、何を思ったのか八神の首に唇を当てた。
「なあ、そのままキスマーク付けて」
「は?」
「お願い!!」
「、ん」
唇を押し当ててきつく吸う。一つそこにキスマークを付けてやれば嬉しそうにそこを撫でてニヤニヤ笑う八神。
「寝るぞ」
「んー。…あ!待って待って!!髪乾かしてくる!」
「早く」
急いで洗面所に走っていった八神。その姿にくすっと少し笑みが漏れる。「先にベッド行ってるぞ」って言ってからベッドに行って、ゴロリ寝転ぶ。時間はとっくに午前2時、すぐに睡魔は襲ってくる。目を閉じて八神が来るのを待った。
10分ほどして帰ってきた八神。
「出来た!乾いた!」
「んー…」
「あ、もう寝てんの?寝ちゃった?」
「…うるさい」
「ふふっ、おやすみ」
髪を撫でられるのがわかって、それから唇に柔らかい感触。
ちゅって音がなってキスされたんだと理解した。
八神も来たし、もういいよなって意識をゆっくりと手放す。もう八神がいても眠れるようになった、こいつなら大丈夫だって安心感があって落ち着く。
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