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第54話

「腹減ったよな」 「ちょっとだけね」 「飯作るから寝てろ」 「ソファーに座ってる」 風呂から上がって飯を作ろうとキッチンに入った。簡単なものしかできないから、オムレツにケチャップかけてウインナーにバターロールにサラダくらいしか用意できないけれど、それを出すと嬉しそうに笑ってむしゃむしゃと食べてくれる。 「今日はゆっくりするねんで、俺も大和も」 「ああ」 「仕事はしませんって誓って」 「…仕事はしません」 「うん!!いい感じ〜!」 ニコニコ笑って箸を進める八神はすぐに飯を食い終わって「ご馳走様」と言い手を合わせた。 「皿置いとけ」 「えー?片付けるで?」 「できねえだろ、寝とけ」 「…あ、忘れてた。ごめん、ありがとう」 動くことを諦めて大人しく椅子に座ってる八神は俺を見てニヤニヤ笑う。 「…何だよ」 「いやぁ、幸せやなぁって」 「そうか」 「なあ、好き」 「………」 「あ、そろそろウザい?好き言い過ぎ?」 「…うざくはねえけど…」 そんな好き好き言われると、恥ずかしいし、どんな反応をすればいいのかわからない。 「照れとるん?」 「うるさい」 「大和って照れたらうるさいってよく言うよな」 「………」 もう簡単にうるさいを口にしないでおこうと心に決めた。

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