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第58話 早河side

「そっから、なんとなーく生きて中学卒業してこっちに来て一人で暮らしてたんよ」 「ああ」 「やから、初めてこっち来て友達…仲間ができた時ほんまに嬉しかってん。親にそれがバレるまでは、俺も自由や思って」 「…あ、」 「あ、思い出した?俺が大和に助けられた時、親に連絡したっていうたやろ?俺めっちゃ焦ってん、家出た日から連絡なんてしてなかったからさ。やから急いで家帰らんと親がまた変なことしだすんちゃうかって、思ってん」 そうだ、あの日怪我をしてたくせにこいつはすぐに帰らないとと起き上がって何かやたらと焦っていた。 「でも、何もないねん。連絡もこうへんから向こうも俺があのメッセージを打ったんやないって多分わかってる」 「じゃあ余計に…」 「普通の親やったら自分の子供があの内容のメッセージを打ったんやないってわかったら探すやろうけど、俺の親は普通とちゃうから」 悲しそうに笑って強く抱きついてきた八神は小さく震えていた。 「あれから何もない。やから…逆に怖い…いつ何されるかわからんから、いつ家に連れ戻されるかわからんから、怖いねん」 耳元で離れたくないって小さく言う八神の声が聞こえた。 「大丈夫だ」 「…ん」 「お前のこと、ちゃんと守るから」 そう言うと顔を上げてふんわり笑い八神からキスをしてきた。触れるだけのキス、それだけでも八神には少し安心したらしい。 「このまま、寝てもいい?」 「ああ、おやすみ」 八神を抱きしめながら俺も目を閉じた。

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