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第61話

そして夜が明けた。 時間は午前9時。俺はとっくにベッドを抜けて顔を洗い身支度を済ませてそろそろ朝ご飯…と思ってた時だった。 ピンポーン、と音が鳴る。 嘘だろ、と玄関に出ると命とユキくんがそこにいて。 「早くねえか」 「おはよ」 「…早河さん、おはよう、ございます……」 ユキくんは相変わらず可愛らしい、小さいから俺を見上げてニコリ笑う。 「…ユキくんおはよう。悪い、八神まだ寝てる」 思わず手が伸びてユキくんの髪をクシャクシャと撫でた。さあ、八神を起こさないといけない。 「入って適当にしててくれ」 「おう、お邪魔します」 「おじゃま、します…」 わせわせ靴を脱ぐユキくんにに命がゆっくりでいいんだぞと伝えると、不安そうな悲しそうな表情が帰ってきた。 二人のやり取りをみてクスッと自然に笑みが漏れる。それから八神を起こしに行かねえとと寝室に向かった。 ベッドでスヤスヤと眠ってる八神。体は綺麗にしてやったし、そんなに酷くはしてないから腰も前よりは大丈夫なはずだ。 ゆさゆさ揺らしても起きないし、名前を呼んでも起きない。でも前から命には八神を紹介するつもりだったし。 バシッと音が鳴るくらいに八神の額を叩いた。 「いだぁっ!」 「起きろ」 「待って!?何でそんな起こし方!?もっと優しくさぁ…」 「いいから早く」 「……わかった、起きる」 ゆっくり起き上がった八神に抱きつかれる。よしよしと髪を撫でてやって、「おはようのチュー」とか言ってキスしてきた八神に「早く起きてこいよ」って寝室を出た。

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