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第75話
「───あった。」
見つかったのはその日の夕方。何時間もパソコンに向かっていたから肩はこったし目は疲れる。グッと伸びをして証拠となるそれを集めた。その一時間後くらいに鳥居から連絡が来て見つけたものをデータで送られてくる。
「悪い、ありがとな」
「いえいえー、相当焦ってたみたいだしー」
「助かったよ」
「ふふっ。…にしても何でこんな関西の金持ちを調べたんですー?何か、仕事ですかー?」
「いや…今はまだ言えねえんだけど…。また、手伝ってくれって頼むかもしれない」
「いいですよ。俺、結構暇なんで〜」
「……仕事しろって、言うべきなんだろうけどよ、今は感謝してる」
そう言うと照れたみたいに笑った鳥居。少しだけどうでもいい話をして電話を切る。
同じデータの入ったUSBを2つ作って、一つは自分に、一つは親父に渡そうと、そこまで作業を終えたところで寝室から俺を呼ぶ声が聞こえた。
立ち上がり寝室にいって「起きたか」と近づくと柔らかく笑って俺の首に腕を回す。
「お願い、お風呂、連れてって」
「ああ」
「気持ちよすぎて、飛んじゃった」
「何回もイってたもんな。」とそう言って笑うと恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋める。
「大和も、気持ちよかった…?」
「ああ」
「ふふっ、よかったぁ」
ちゅ、と首にキスをされる。そのまま強く吸われて口を離した八神。そこをつつっと指でなぞって笑ったということは、キスマークが割と上手くついたんだろう。
「大和も、俺につけて」
「ん」
風呂場に連れて行き自分が履いていたズボンと下着、Tシャツを脱ぎ一緒に風呂に入って八神の首に噛み付くようにキスをする。
「はぁ…、んっ」
「…やべぇ」
甘い八神の声が風呂場に響く。それに欲情しそうでキスマークをつけさっさと離れて体をサササーとシャワーで流し2人で湯船に浸かる。
背中を俺の胸にピトリとくっつけてくつろぐ八神。うっとりとした顔で俺を見上げるとふっと笑い目を閉じる。
「あ、っ、あ、なにっ」
それに煽られて八神の乳首に触るとビクッと小さく震え離させようと俺の手を掴んだ。
「あかん、っ、てば」
「何でだよ」
「お風呂、声、響くから恥ずかしいっ」
それは俺にとってはいいことなんだが。
まあさっきもしたし、ここでヤるのは八神が可哀想だとパッと手を離して強く抱きしめた。
「もぉ、大和は俺のこと好きやなぁ」
「お前もだろ」
「うん、俺、大和のこと大好き」
少し恥ずかしそうに笑いながら言う八神に、絶対に守ってやらないと。と改めて強く思った。
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