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第79話

パッと目を開けると八神の部屋にいて、ああそうかと溜息を吐く。 あいつの過去の一部に触れられた。それは嬉しいがあの悲しそうに泣く姿には胸が締め付けられるように俺まで悲しくなった。 「早く…早く…」 気持ちばかりが焦る、まだ1日あるのに。 そうしていると携帯が震えて俺を呼ぶ。八神か?と携帯の画面を見るとやっぱりそうだった。 「大和ー!!」 「おう」 「俺な、夢見てん今!」 「夢…?」 「ちっさい頃の時の夢やねんけど、多分…っていうか絶対!あれ大和やねん!」 八神の話を聞いてると自分が見ていた夢と共通しているところが多かった。同じ夢を見ていたんだ、と確信すると電話の向こうで八神がクスクスと笑った。 「早く、大和に会ってイチャイチャしたいなぁ」 「…明日だ、明日が終わればきっと、お前は自由になれる」 「うん…そしたら、俺、ずっと大和と一緒におる」 「ああ」 そうなるように、頑張るから。 お前ももう少し我慢してくれ、と言って電話を切った。

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