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第85話
パッと、目を開けると白い天井に眩しい光が射してきて1度目を閉じた。その間に「大和っ!」って名前を呼ばれてまたゆっくり目を開ける。
「よ、かった…大和、大和ぉっ」
「や…がみ…」
「うん、うん。」
いつもの八神だ、あんな小さくないし抱きしめたくらいで折れることもない。
強く抱きついてきた八神を抱きしめ返す。近くにトラがいてしばらくしたら俺と八神を離して、怪我の具合と他に痛いところはないかを確認される。
「もう、無茶ばっかして!」
「…そうでもねえだろ」
「あるわよ!死んだらどうするの!」
そうだなぁ、と口にしながら体を起こし座る。八神に手を伸ばし隣に来させて抱きしめた。
「大和…?」
「死んだら、こいつが寂しがるからなぁ」
「寂しいだけちゃうわ」
「ああ。…だから、死ぬことはねえよ、絶対」
そう言うとトラは呆れたみたいに溜息を吐いて、その後笑った。
「まあ、生きててよかったわ。…元々あんたが死ぬなんて思ってないし」
「当たり前だ」
「鳥居も心配してたわ。命にもあんたを探してもらうのに協力してもらった。後でお礼言っときなさいよ」
まだ、全部が終わったわけじゃない。
わかっているけれどもうすぐ終わる、と思うと気が抜けて、また眠たくなってきてしまう。
「大和、寝る…?」
「ちょっと寝る」
「俺、ここおっていい…?」
「ああ、ここにいろ」
八神がここにいることが俺は一番安心できるから。
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