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第94話
「何したんだあいつ」
「…わかんねえけど、いかねえと」
きっと若の声に焦って組員達が若の部屋に集まっちまう。急いで一人で若の部屋に行くと思った通り組員達が集まって若の部屋に大声で「大丈夫ですか!!」と声をかけていた。
「お前ら退け」
「わ、早河さん!」
組員達を退かせて「失礼します」と部屋に入る。
「八神」
「あ、大和!」
「お前何したんだ」
若はベッドから落ちて床に寝転び布団を頭から被ってる。若、と若の体を揺らして起こすと鋭い目で睨まれて「あ、やばい」と固まった。
「お前なぁ!!琴音がここにいるのはいいけどよ!!驚かすとかそういうのは止めろよ!!」
「すみません」
「ビックリしたんだからな!!起きたら目の前に琴音の顔があって、でも初めは誰かわかんなくて…」
「ホラーは苦手だ!!」と大声で怒られてすみません、とまた頭を下げた。
「ハル〜怒るんやったら俺にしてや、大和関係ないやん」
「テメェにも怒ってるわ!!」
「もー、そんな怒らんで〜」
若の肩にポン、と手を置いてヘラリ笑った八神、そんな姿に怒る気が無くなったのか若も笑った。
「ていうかお前なんでいるんだよ」
「寂しかったから?」
「ふーん」
二人で会話が始まったから俺は邪魔しないほうがいいな、と部屋を出る。するとまだ組員達はそこにいて「大丈夫だ、何もない」と言うと安心したようで散っていった。
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