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第106話
その後は田中組って所に連れて行かれて、そこの頭さんと若頭さんに会わされた。
幾分か顔の整ってる二人、そのうちの一人、若頭さんに「ついて来い」って言われて後ろをついていく。
「名前は」
「…八神」
「違う、下の名前だ」
「…言いたくない」
「言え」
「嫌や」
腹が立ったのか頰を思い切り叩かれて、その衝撃に涙が散る。
「強情なやつは好きじゃない」
そう言ってどこかの部屋に連れ込まれ、何や趣味の悪い赤い着物に着替えさせられてデカいベッドに座るように言われる。
「やっぱり、顔が綺麗なのはいいな」
「…あんた、趣味悪いで」
「お前の顔が綺麗っていうのはきっと、ここにいる組員なら全員認める」
そう言って目を細めて笑った若頭さんは、俺に近づいて折角綺麗に来た着物の帯を解いていく。
「な、にする気」
「わかってんだろ」
「…いや、や」
「ああそうだ、ところでお前の名前は琴音であってるか?」
「っ」
呼ばれたくもない相手に名前を呼ばれて眉を寄せるとククッと喉で笑われる。
「俺の名前は宗一郎 だ」
「…………」
「俺の名前を呼べ」
「……………」
「嫌でも呼ばせてやる」
押し倒されて着物を脱がされ露わになった肌に若頭さんの唇が落ちる。
「お前はどうやらあの早河の恋人だったんだろ?」
「っ、う…ぅ…」
「挿れられたことはあるよな?」
返事はせずに与えられる刺激に耐える。
手を噛んでるとその手を取られニヤッと嫌な笑いをする若頭さんが目に映る。
「おい、縛るもの持って来い」
ドアの方に若頭さんがそう言うと数分後に男がロープを持ってきた。それで両手を縛られベッドヘッドに括り付けられるともう抵抗も何もできない。
「名前を呼べば許してやる」
「…だ、れが呼ぶか!」
「そうか」
ベッドの隣にあった棚から何かを取り出した若頭さん。
それを俺に見せつけて口に含み、そのままキスしてきた。舌が口内に挿れられてチロチロと流れてくる液体、それを吐き出すことを許してくれなくてコクリと飲み込んでしまう。
「何、これ…」
「媚薬だよ。大丈夫だ、苦しいくらい気持ちよくなるだからな」
その言葉が怖くて体が強張る俺の耳元に口を寄せた若頭さんは「俺が愛してやるよ」と言葉を囁き俺の中心に手で触れた。
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