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第115話

「琴くん!?」 教室に入るや否や隼人とハチが俺に駆け寄ってくる。 「どこ行ってたの!」 「電話も出ないしさ!」 適当に笑ってそれを躱してると、後ろにおった東雲さんが「お前の気になる言動はすぐに若に連絡するからな」と釘を刺されて思わず苦笑を零した。 「そいつ、誰?」 「ああ、えっと、俺の友達」 「友達には見えないけど」 ハチが痛いところを突いてくる。 それでも何とか友達やと言い聞かせて、そう話をしてるうちに眠たくなってきて机に伏せる。 「琴音」 「…あ?」 机をトントン叩かれて顔を上げるとアメが「どれがいい」と飴コレクションを出してきた。アメは禁煙中でいつも飴をカラコロと食べて喫煙症状を耐えているらしい。 「…これ」 「やる」 「ああ、うん。ありがとう」 皆俺のこと心配してくれてたんやって、すぐにわかった。 そのまま隣に腰を下ろしたアメは、眠ろうとする俺に寒く無いようにってクラスメイトの誰かが持ってたタオルケットを掛けてくれた。 そのまま目を閉じて何も考えないでいるとすぐに夢の中に落ちていった。 *** 「琴くん、琴くん」 「…ん」 肩をトントンと叩かれて目を開ける。 そこには不安そうな顔をしてるハチが。 「もう授業終わったよ?」 「…あ、ほんまに?…今日寝てるだけやったやん、やばーい」 ケラケラ笑ってみせると少し安心したのか優しい表情になって「本当だよ!」と背中を軽く叩かれる。 「まっすぐ帰るの?」 「うん」 「送っていこうか?」 「いや、いいよ、東雲がおるし」 ヘラッと笑えば今度は不機嫌そうに唇を尖らせて「俺の方が先に友達だったのに」と言う。 「ごめんやん」 「…いいよ、じゃあ気をつけてね」 ハチが帰って行って、教室で俺と東雲だけになってから若頭さんに電話をして「終わったよ」と連絡した。

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