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第119話

心は許したつもりはあるけど、好きになったわけじゃない。好きなのはいつでも大和やし、離れてからも忘れた日はない。 「風呂入る」 煙草を吸って、灰皿に押し付けて立ち上がると宗ちゃんも当たり前のようについて来て一緒に風呂に入った。上がってからも髪を乾かされて服を着せられて、甲斐甲斐しいくらい世話を見てくれる。穏やかなここでの生活は、抗争はもうとっくに終わってるんやないかって錯覚してしまうくらいのもので。 「煙草、もう無くなる…」 「買ってこさせる」 「あー…宗ちゃんキスして」 宗一郎って呼ぶのは長くて面倒臭いから宗ちゃんって呼ばせてもらってる。その呼び方に慣れるくらいには俺と宗ちゃんの間の距離は縮まってるんやろう。 「ふ、っん、んっぅ」 「明日も行かねえのか?」 「…行かない」 そして前に学校に行った日以来、俺はずっと宗ちゃんの隣で生活していた。だってここにおると好きな言葉を好きな時に貰えるから。 「宗ちゃん、好きって、言って」 「好きだ」 その言葉に満足して、残り一本の煙草を取り出し口に咥える。火をつけて煙を吸い込むと気持ちが落ち着いて、そんな俺を宗ちゃんは満足げに見ていた。 「お前、いい具合に壊れてきてるな」 「…あ…っあ!」 「初めはあんなに拒絶していたくせに」 後ろに宗ちゃんのを受け入れながら確かなそうだなと思う。もう宗ちゃんのを受け入れるのになんとも思わなくなってきてるから。 「宗ちゃ、あ、っ…ひ、そこ、いやっ──ぁっ!」 「嫌じゃねえだろ」 「ひ、イク、イっちゃ、っああ!!」 「っ」 俺のイったあと、数回律動をして中に欲を吐き出した宗ちゃん。ずるりとモノが抜けてボーッとしてるとケツだけでイったせいで俺自身の熱は引いてなくて、宗ちゃんにそこを掴まれて激しく扱かれる。 「い、ぁっ、ああ!」 「どっちでイくのが好きなんだ」 「あっ、う、ど、どっちも、好きっ、ひ、あぁぁ!」 呆気なく達してしまって、はぁ、はぁと息を整えていると何故か宗ちゃんは亀頭をグリグリと弄りだして腰が浮く。 「や、めて、あかんって、いや、あっああ!!漏れ、漏れる、漏れるっ!!」 「いいから、出せ」 「ひ、ひぃ、あ、あっあ───ッ!」 我慢できなくなって体に凄い力が入るのと同時、プシャッて音がなって凄まじい快感が身体中を襲った。ペニスから吹き上げる透明の水みたいなんに自分の体じゃないような感じがして、怖くなって宗ちゃんの腕を強く掴んだ。 「そ、ちゃ…っ」 「潮吹きだよ」 「う、っうぁ、あ…」 水分をタオルで拭き取った宗ちゃんは「洗うか」と俺をベッドから降ろしてシーツを剥ぎ取る。 「…ごめんなさい」 「何で謝るんだ。俺がやらせたのに」 「…宗ちゃん」 「あ?」 「煙草」 溜息を吐いた宗ちゃんはドアの方に「煙草とって来い」と言って、数分後部屋に入ってきた男は裸の俺を見て顔を赤くする。 「煙草…」 「あ、は、はい」 渡されてすかさず封を開け煙草を一本取り出し、口に咥えて火をつける。いつの間にか部屋から出て行ってしまった男にお礼を言うのを忘れていたことを思い出して、フラッと立ち上がり落ちていた俺の着物を軽く纏った。 「琴音、どこ行くんだ」 「…さっきの人、お礼言ってなかったから」 「そんなのいい、こっち来い」 腕を引かれてそっちの方に行くと、いつかみたいに煙草を取られてうつ伏せになれって言われる。 「またすんの…?」 「ああ、俺といるのに他の奴のこと気にしたからな」 「…怒らんといて」 「怒ってるわけじゃねえ、お前を躾けてるだけだ」 そう言って折角さっき着たばっかりの着物を肩までズラされて、そこに煙草の火を押し付けられた。 始めの時より痛くはない気がする、けどそれは辛くて苦しい。 「い、あ゛ぁぁっ、ごめ、なさ…っ!ごめんなさいっ!」 「もう2度と俺といるときに他の奴のことを考えるな」 「あ゛ぁ゛…」 ジュッ、ジュッと肉が焼ける音はもう恐怖に感じる。 火が離されてそこに手をやり小さく蹲った。

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