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第140話
もういらないと言ってるのにずっと奥を突いてきてその快感が大きくて苦しい。それでもその苦しいのを逆に気持ち良いものなんだと錯覚し始める。
「ん、ふっ、うぅ…っ!」
もう頭の中から真っ白になってきて、勝手に出る自分の声を聞きながらボーッとしていると大和の動きが止まって俺の顔を覗き込んでくる。
「琴音」
「…ぁ、な、に…?」
「好きだ」
「は、?あ、っ…、ぁあっ!!」
突然好きって言われて、そんなん前から知ってるし…とヘンテコな声が出る。俺にそれを伝えるだけ伝えて自分はガツガツと突いてきて、あかんもう、落ちる。
体の力がフッと抜けて目の前が暗くなった。
「───っ、いって…」
寝返りを打とうとしたら痛みが走って目を開ける。
ベッドには俺しかおらんくて、大和は仕事に行ってもうたんかな?と思っているとゆっくりと部屋のドアが開く。
「起きてたのか」
「…あれ、仕事は…?」
「今日は休んだ。…散々やっちまったから、流石に動けねえだろうと思って…」
確かに、昨日散々にやられたから下半身が痺れてるみたいになってもうてる。
「飯食うか?」
「食べる」
ボワポワとする頭で返事をして大和に手を伸ばすとそばに寄ってきてくれて、俺の手を掴み「どうした」と優しく聞いてくる。
「俺ってやっぱり、最低なんかなぁ」
「あ?」
「大和が好きやったのに、宗ちゃんを好きなって、また…大和を好きになるなんて」
「……いろいろあったんだ、仕方ない」
「そっか」
ダメなことなんだろうとは大和やって思ってるけど、多分、自分に責任があるからと何も言えないんだと思う。
「起きれるか」
「うん」
大和の手を借りてゆっくりと起き上がった。
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