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第147話

学校を楽しんで、それぞれに言われたものを買ってやってから帰宅する。 まだ大和は帰ってきてへんくて、疲れたなぁって着替えもせんとソファに寝転んだ。 気が付けばそのまま眠ってしまっていたみたい。 目を開けたらタオルケットが掛けられてて、起き上がると椅子に大和が座ってた。 「大和、おかえり」 「ああ、起きたのか。ただいま」 ソファから降りて大和に近づき抱きしめる。 いつもの大和の匂いに加えてふんわり香る煙草の匂いに落ち着いた。 「着替えてくる」 「ああ」 服を着替えに行ってちゃんと手を洗って大和の所に戻る。 ふと目に入った時計の針は夕方の6時を指していた。 「もうこんな時間やってんね」 「そうだな。晩飯は何がいい?」 「んー…鍋」 「鍋?最近しただろ。」 「それはキムチ鍋!今日は塩鍋!」 大和の手を取ってにぎにぎすると、それをし返してくる。可愛い。 「今日は学校どうだった」 「んー、怒られたしカモにされたけど楽しかったで」 「…何だそれ。金ねえのか?」 「まだあるよ」 財布の中身が少なくなっただけでまだあるし。 「無くなったら言えよ。」 「なんか親みたい」 「……………」 「あ、あんま嬉しない?」 親みたい発言はあんま嬉しくなかったようでコクリと頷いた大和は「飯の準備する」と言って立ち上がる。 「なあ大和」 「ん」 「あのさぁ…」 別に言おう言おうって思っていたわけやない。 でも何か自然にスーって言葉が出ていく。 「俺が高校卒業したら、結婚しやん?」 「は?」 大和は普段は見せないようなぽかんとした呆けた顔をした。

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