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第2話
「早河~終わったわよ~」
うたた寝をしていたらトラの声が聞こえてきてトラのもとに戻る。
「ねえ見てよ、この子の名前!八神 琴音 ですって!!可愛い~!」
「それ、あったのか」
血まみれだった男、八神琴音のポケットからは生徒手帳が出てきたらしい。思い出せばこいつ制服を着ていたし、持っててもおかしくねえ。
服は多分トラが着替えさせたのだろう、灰色のスエット。血を拭ってよく見えるようになった八神の顔を覗き込めばトラが気に入った理由もわかる。とても綺麗で整っている。
「どうするの?この子」
「とりあえず親御さんが心配するだろ、そいつ携帯持ってなかったか?」
そう言えばトラは血濡れの制服から携帯を探し見つけたそれを俺に投げて寄越した。
親には適当に連絡すれば何とかなるかな、と母さんで登録されているそれに"友達の家に泊まってくる"とメッセージを送った。すると少ししたら"了解"と帰ってきて少しだけ安心する。ここで誰のところ?なんて聞かれたら面倒くさい。
「……ん…ってぇ…」
そんなことをしていたら八神が目を覚ました。
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