寂しそうな、それでいてどこか期待をしている八神は目を潤ませて俺を見た。そう言えばこいつ関西弁を使ってる。 「心配なのは、まあ、そうだが…」 「ふふっ、早河さんって、怖そうやけど全然やねんな、優しい人や」 「……………」 口元を隠すように添えられた手、小さく綺麗に笑った八神は俺の服の裾を掴む。 「早河さん、俺のこと助けてくれへん？」 「は…？」 俺と八神との出会いは少し奇妙なものだった。