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第5話

そしてその2日後。八神の様子を見にトラのもとへ行けば、”家に連れて行け”とうるさい八神を仕方なく家に連れてきた。 基本的に俺は組の方にいるからこの家に帰ってくることもほとんどない。だから今帰ってきたのでも2、3ヶ月ぶりだ。ちょくちょく組のやつらが掃除しに来たりしてくれているお陰で家は汚れていなかった。 「早河さんって綺麗好きなんやな~。もっとぐっちゃぁってしてると思っとった」 クスクスと口元を隠して笑う八神、前も思ったけどこいつの笑い方は男の癖にとても綺麗だ。 「ね、俺をここに住ませて?」 「…あのなぁ」 「お願い、俺のこと助けて…」 そんな八神の姿がアイツと重なる。そういえばアイツも八神みたいにしつこく俺に頼んできたっけ。 「…はぁ……わかった。だが俺はここにはなかなか戻らないぞ」 「ええ、何で?彼女?俺のこと一人にすんの?」 「仕事だ」 「帰ってきてやぁ、一人寂しいやん」 俺の手をさらっと撫でてそのまま体を近づけてくる。あともう少しで鼻が触れそう、何でそこまで近づいてくるんだ。 「……俺なんでもするからさ?気持ちぃことでも、痛いことでも、何でもするから、俺のこと一人にしやんで…」 そして何でそんなに悲しそうな顔をするんだ。

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