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でも何故急にそんなことを…俺が誰かと番ったとでも思ったのか? でも有紀にはヒートが起きたことは言っていない。知らないのに噛まれる状況があるなんて思うか?普通。思わないだろ。 ヒート時以外に噛まれたって無意味だ。前回怪しい雰囲気になった時にきちんと伝えたし、忘れるような事でもないと思うのだが… 「綺麗なままで良かった」 誰にも噛まれていない項を有紀の舌が這う。首の骨を皮膚の上からなぞっていくように。 わざとか分からないがたまに当たる歯に、ほんの少しの恐怖が背筋を震わせた。 噛まれた指先がじくり、と痛む。 「そういえばさー、ユキちゃんとエッチしてるときΩの匂いしたんだ。一瞬だけ。一回だけね。ふわっと。すっごくいい匂いでさ〜、あれは発情してたなあ…」 噛み付かれるとばかり思っていた項から首筋へ唇が移動する。Tシャツを引っ張っていた腕は後ろから俺の胸の方へと伸びて来て、逃げられない程の力で固定されてしまう。 喋るたびに吐息が当たって、ビクビクと敏感に反応してしまった。背後から抱き締められる形で、首筋へのキス。輪郭。耳朶。 そして、耳元に辿り着いた唇は熱く、艶かしく粘着質な音。舐め、られた… 「…リクは、俺とユキちゃんがヤッてるの見たんだよね?」 柔らかな舌の感触と触れる吐息にゾワっと痺れが走る。耳は嫌だと首を振ろうとした俺だったが、耳元で囁かれた言葉にふと気付く。 ……あ、れ? これ、もしかして。 「じゃあアレ、リクだったんだぁ。それならそうと言ってよ〜。初発情期(ヒート)オメデト!…で、誰と過ごしたの?」 ――ヤバい。バレた。

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