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第13話
九月。
今から数週間ほど前に、俺の長いようで短かい転入後初めての夏休みが終わりを告げた。
後半は課題に追われてあっという間に時間が過ぎて行ったが、今回もちゃんと間に合わせた。素晴らしく模範的な生徒、それが俺。
そんな夏休みを総括して振り返るならば、一つ二つ、いや三つ四つと大きな爆弾を落とされた夏休みだったように思う。なんならいくつかは自ら掘り起こしてしまった。
追いつかない部分もあるが「ちょ、一旦タイムで…!」などと言って時を止めるわけにもいかない。即座に解決できることなど、多分、何一つないのだ。
それにこの高校では、夏休みが明けた次の月から年間行事の二大イベントのうちの一つが始まるらしい。
そのうちの一つである体育祭は俺がこっちに転入する前に終わってしまっていたので参加できなかった。
だけど後期にあるアレには参加できる。アレと言えばアレだ。正直学校行事で一番テンションの上がる…
「ということで今年の文化祭ですが、うちのクラスはバー型式で様々なドリンクを提供するという方向で進めていきたいと思います」
そう、文化祭である。
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