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「お前さっ……今何しようとしてるのかホントに分かってんのか? 有紀が俺にしようとしてることは、レ、レイプだぞ…!? 俺はお前のセフレ達と違って合意した覚えはない!」 「……指輪、外すね」 有紀が幅広の指輪をした指で俺のものに触れようとして、指輪の存在に気が付いた。 口元に指を近付けカチと歯で挟むと器用に指輪を抜いていく。カシャン、カン…カン…と口元から落とされた指輪達が床に転がり無機質な音を立てた。 そして飾りの無くなった指先は、晒された俺の中心に触れ、つつ…と裏筋を撫でる。 「んッ……や、だ……いやだ…っ」 「嫌がんないで、リク。気持ちいーことしかしないから」 怖いというより反応してしまう己の体が憎くて、涙が浮かぶ。 握り込まれて少し上下に動かされただけで腰が浮いた。これじゃまるで有紀の言う通り期待してるみたいじゃないか。 嫌なのに。こんな無理矢理、絶対嫌なのに。 しかも、こんな時に何故か思い出してしまうのは、初めて体を交わしたあいつのことで―― 「……渥…っ」 相当焦っていたんだと思う。 脳内に浮かんできた呼ぶつもりのない名前を小さく口に出してしまった。 先程あんな盛大に啖呵を切った癖に情けない。ああ…ダサい…ダサすぎる。 あいつになんか自業自得だと笑われるのがオチでしかないっていうのに。 有紀は俺の言葉に反応してか、突然上半身を寄せ黙らせるようにキスをしてきた。 同時に握ったままの先端をグリグリ擦られ、喉奥でくぐもった声が上がる。 「んん…!? ん、ッ」 「やめて。その名前呼ぶの」 唇はすぐに離れたのに、顔は近いまま。唇が触れるか触れないかの距離で聞こえる低い声。 「幸せに、なれないよ。渥とじゃ」 押さえ付けられていた両手が何かで強く固定される感覚があった。動かすと硬い感触。これは……あ。ベルトか? 顔を向ける事ができないのでよく分からなかったが、拘束されたのだと気付いた。 「っ、外せ!」 「前さあ、俺に言って来たんだよ。番になる気はないって。リクが誰と番になっても構わないって。渥はΩを信用できないの。あの人が母さんを騙して、父さんを利用したから」

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