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なんだか強制的に2人にされてしまったが、こうなったら俺がしっかりしなければ。 「よし、佳威、とりあえず外出よう!」 「ああ…てか別にそこまで心配してくれなくても問題ねえよ」 「そうは言うけど顔色悪いって。行こう」 佳威の引き締まった腕を掴んで、未だにざわざわしている生徒の波を掻き分ける。 進みながら周りの生徒たちがこちらに視線を向けてくるのに気付いた。 こちら、というか、多分気になってるのは佳威の事だろう。 αである佳威は良くも悪くも目立ってるに違いない。可愛い女の子達のグループの横を通り過ぎるとキャッキャッと嬉しそうな可愛らしい声が聞こえた。 いいなー、男前だとあんな可愛い子達にキャーキャー言われるんだ。俺も男前に産まれたかったな… そんな儚い想いに身を馳せてる俺の後ろで、当の本人は相変わらず気持ち悪そうに腕を掴まれたまま歩いてきている。羨ましがっている場合じゃないな。早く外に出てやらないと。 佳威のおかげで俺たちの行く先ではモーゼの奇跡のごとく自然に道が開き、割とすんなり外に出ることができた。食堂内に話題が集中している為か、外にはほとんど人が居ない。 外に出た瞬間、佳威は肺いっぱいに空気を入れるように深呼吸をした。 「あー!空気がうめえ!」 「はは、良かった。ケーイチ来るまで座っとこうぜ」 少し元気になった佳威に一安心して俺は近くにあったベンチを指差した。佳威が言う通りにドカッと腰を降ろしたのを確認して俺は近くにあった自動販売機で水を買う。 「にしても、発情期前の奴ら連れてくんなよな、趣味悪ぃ……お、悪いな」 買った水をポイッと佳威に渡して、俺も横に腰掛けた。佳威は冷たい水をゴクゴクと美味しそうに飲む。 「そういえばあのΩ達は抑制剤飲んでないのか?」 抑制剤とは、Ωの三ヶ月に一度やってくる発情期を抑える薬のことだ。相手のいないΩの発情期は無条件に周りを惑わせてしまうので、フリーのΩは発情期が近くなると抑制剤を飲んでフェロモンの分泌を止める。それが一般的だ。 「あいつらは相手が居るのも同然だからな。将来あのグループの中から相手を見つけんだろ。そもそもこの学校に居るって事はαの相手見つけに来てる奴らが多いし、それなら自分のフェロモンでたくさん引き寄せといたほうが運命の番に会えるかも知れねえだろ」 水分補給をしたことで、スッキリしたのか佳威が饒舌に話す。ベンチの背に両腕を乗せて空を見上げていた。だいぶ気分も良くなってるみたいだ。 「番…か」 ぽつりと呟いた言葉に佳威がこちらを向いた。 「どうした?」 「あ、いや……佳威はさ、運命の番の存在信じてるのか?」

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