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初めての売店にやって来たが、店内の品揃えはコンビニみたいに豊富だった。白を基調にした店内は明るく清潔感に溢れている。雑誌から食料品、日用品までさまざまだ。 お昼時ということもあって、店内には結構な数の生徒達が居たが食堂が隣接されているからか、すれ違えないほどの混雑ではなかった。 そうして俺たちが2人で弁当を物色していると、後ろを何度も通ったり横からチラチラとこちらを伺う視線に気付いた。 男女関係なく視線を送ってくるようだ。 とは言ってもその視線はほぼ佳威に注がれていた。 「佳威…さすがだな」 「あ?何がだよ。つか、俺これにしよー。睦人も早く決めろよ」 当の本人は慣れているのか気付いていないのか全く気にしている様子はない。 そんな佳威に苦笑いをしつつ、俺は弁当を手に取った。 「俺はこれにする。早く戻らないとな」 「ああ、あいつ多分食べずに待ってるだろうし。早く帰らないと文句言ってくるぜ、きっと」 「それはヤバい!てかほんと佳威たちって仲良いよな。いっつもそんな感じなのか?」 「あー、まあいわゆる幼馴染ってやつ?あいつは俺の家のこと気にしねえし、俺がαだからって媚びてくるわけでもねえから楽なんだよな。だからなんか気付いたらよく一緒に居るようになってた」 そこで一旦会計をするために二手に別れた俺は、先に会計が終わって売店の外で佳威を待つ。 そのあと会計の終わった佳威が弁当の入ったビニール袋をぶら下げてやって来たので、俺たちはケーイチのいる教室に並んで歩き出した。 「確かにケーイチはそういうこと気にしなさそうだよな。誰とでも対等に向き合ってくれそうっていうか…主席だっていうのにアホな俺にも気さくだし」 「あんま褒めると調子に乗るから本人には言うなよ、それ」 「なんでだよ」 思わず笑ってしまった。 そんな俺の顔を佳威がジッと見る。 「…ん、なに?」 「いや…つか、睦人も別に俺に媚びてこねえし、家のこと…気にしてねえよな」 「あー、そういえばそうかも。家のことなんて実感湧かないし。まあでも実際佳威の家とか見たらビビっちゃうかもよ。多分。俺結構ビビリだからさ」 笑って答えると佳威が一瞬キョトンとした顔をして、それから破顔した。 「そういうことはもうちょっと隠しとくもんじゃねえのかよ」 「隠しててもしょうがないだろ。ビビリなのは本当のことなんだから」 楽しそうな佳威の笑顔にこちらまで楽しくなってくる。 多分周りから見たらめちゃくちゃ楽しそうな2人に見えているに違いない。 実際ものすごい視線は感じる。多分今まではずっとケーイチと一緒に居たのに、そこに突然知らない奴が混じって仲良くしているのだから、興味を持たれるのは仕方ないことだと思う。 佳威がどこまで人気があるのか分からないが、αと仲良くしているというだけで嫉妬されるのだろう。

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