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「え………?」 「やぁっぱり!そんな気がしたんだ~!だって、リク、嘘つくとき絶対目ぇ合わせないもん」 もんっと可愛く言われたところで、俺は正直今有紀のことを可愛いとは思えなかった。 しかも自分にそんな分かりやすいクセがあったことも知らなかったし、そのクセを有紀が見抜いていたことも、覚えていたことにも驚きだ。 ただ、今は早くこの状況から逃げ出さないとヤバイと俺の勘が警鐘を鳴らしていた。 「よし…………わかった。俺が悪かった。嘘ついてごめんな、有紀。あとお前が俺にキスしちゃったことも、今回は許そう。…とにかく…とにかくだ。とりあえず離れようか?」 俺は冷静を保つように、目を見てゆっくり言葉を発した。 しかし、有紀は先ほどの笑顔のまま、首を傾げる。 「許さなくていーよ?てか、昔したやつ時効にされちゃったから、ちょうどいいじゃん」 「……根に持ってる?」 「えー?そんなことないよお?」 にこにこと笑う有紀からは、いまいち感情が読み取れない。 でも絶対根に持ってるだろ! 「ごめんって!もう時効とか言わないから!」 「だからー、別に根に持ってないってばー!それよりもさ、リクがΩだって分かったことだしもうやることはひとつしかないよね!」 有紀が丁度俺の腰あたりに体重を掛けて乗りかかってきた。 全体重を掛けているわけではないと思うが、結構遠慮なく体重をかけられている気がする。 俺を見下ろしながら有紀はゆっくりと口を開いた。 「エッチしよお?リク」 台詞に似合わない無邪気な笑顔で有紀が微笑む。反して俺は一気に青ざめた。 「いいい意味わかんないんだけど!?なんでいきなりそういう話になるんだよ!てか、この手は何ーー!?」 「この手はねー、リクの服を脱がせようとしてる手です~」 器用に片手で俺のネクタイを緩めた有紀は、そのままシュルシュルと解いてしまった。 有紀のもう片方の手には、情けないことにいつの間にか俺の両腕がまとめ上げられいる。 こいつ、いつの間にこんな力強くなったんだ…!? 七年の月日は見た目だけでなく、体格や腕力まで成長させたことをこんなところで実感してしまった。 そもそも、俺が普段から筋トレもせずに過ごしてるのが悪いのかも知れないが…。あの矢田事件からそう日も経ってないのでまだまだ筋トレ効果は出ていない。 有紀は何故そんな手慣れているのかも謎なレベルの手早さでカッターシャツのボタンを外し、俺のベルトにまで手をかけてきた。 「ま、待って待って!待て!有紀!」 名前を強めに呼ぶと意外なことにピタッと有紀の動きが止まった。 案外素直だったことにひとまずホッと息を吐き、有紀と目を合わせるように視線を上げる。 有紀も不思議そうな顔で俺を見つめてきた。 「なーに?どしたの?…あ、大丈夫よ!?俺、処女の扱い慣れてるから、ちゃんと気持ちよくできるとおもう!」 「は?……って、いや!そういうことじゃない!とにかく、一回落ち着け」

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