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「そう考えるとホント興味深いよね。αとΩの番関係って」 ケーイチがしみじみ言う。 「佳威のお父さんたちもめちゃくちゃ仲良いもんね」 「気持ち悪ぃぐらいな」 「気持ち悪いって…」 酷い言いようだ。しかし佳威は両親に対していつもこの調子なのか、あっけらかんとしている。 「まあでもこれで矢田もあいつも絡んで来なくなんだろ。マジ助かった」 「というかそもそも佳威がたぶらかすのが悪いんでしょ」 「たぶらかしてねえよ。人聞きの悪ぃこと言うな」 「いや…あれは、あながちケーイチの言うことも間違ってないような…気がしないことも…」 「あ?なんだよ睦人。言いたいことがあるならもっとハッキリ言えよ」 「なっ、なんでもないでーす!でも佳威は自分が男前だということをちゃんと認識した方がいいと思いまーす!」 「……俺は褒められてんのか?」 「だと思うよ」 佳威が怪訝そうな顔で問いかけ、それにケーイチが頷いた。 ーーー 突然だった。 「……?」 暫く三人でグダグダとくだらない話をしていたのだが、不意に下半身が疼く感覚を覚えたのだ。 突然、というのは語弊があるかもしれない。朝から何だか体調がおかしい時があった。延長戦のようで、しかしそれまでとは違った不快感。 尿意のようなそうでないような、なんとも言えない感覚にクラ…と朝と同じ目眩を感じる。 初めての感覚に、訳が分からなくて若干気持ちが悪かった。 「ごめん…俺ちょっとトイレ行ってくる」 「あ、うん。…て、なんか睦人顔赤くない?」 「え?…そ、うかな」 「朝もフラついてたし、やっぱりまだ具合悪いんじゃ…」 「大丈夫かよ。ついでだし俺も行くわ」 佳威が一緒に立ち上がってくれようとしたが、慌てて止める。 「朝ほどの事じゃないから大丈夫!そんな大したことじゃないしすぐ戻ってくるから、二人はここにいてくれ」 大袈裟にしたくないし申し訳なくて俺は佳威の肩を押して再びベンチに座らせた。じゃあ行ってくる、と言って早足でトイレに向かう。 体育教師がトイレはコテージの反対側にあると言っていた。 広いコテージを周り、裏側に顔を出すと確かに少し歩いた先にトイレらしき小屋が建っている。 「…はぁ…、アレか」 ただ歩いただけなのに、少し息が切れていた。 それに相変わらず空は曇っているというのに体が熱い。気温がそんな高い訳では無いはずだ。 自分の体の熱さを感じると同時に背筋に寒気が走った。

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