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この感じ。 これはもしや…というか、多分。 「…やば…風邪ひいたかも……」 昔より体力がついてきたとはいえ、小さい頃は季節ごとに風邪をひいていた俺だ。今でも、わりと簡単に風邪をひく。 転校してから一度も引いてはいなかったが、今になって疲れがでてきたのかもしれない。 そういえばここ最近色々あったしな。 「………ぃ……」 そんなことを若干ぼんやりしてきた頭で考えていると、コテージの真横にあった小屋から誰かの声が聞こえた。 確かここは食器だとか薪とかが置いてある用具入れみたいなとこだったはずだ。俺の記憶が正しければ、片付けを終えた食器を山下くんたちがここに仕舞いに行ってくれていたと思う。 もう片付けの時間がだいぶ過ぎたので、誰かいるとも思えなかったが、確かに誰かの声が聞こえて俺は興味を引かれてしまった。 用具入れに近寄ると、その声は確かにこの中から聞こえているようで、話し声というよりはくぐもった少し苦しそうな声。 「………ンっ、ああっ…」 ――ま、まさか……。 なんとなく、想像がついてしまったが、こんなところで誰が楽しんでいるんだ、と体調が悪い俺は理不尽な苛立ちを覚えた。 良くないとは思いつつも、風通しの為か少しだけ開かれた窓からそっと中を覗く。 「あっ、イイ…!気持ちいぃ、よお…ゆ、うきくん…っ」 「うん、俺も気持ちいいよユキちゃん」 ……………んん? あの派手な髪色と見覚えのある後ろ姿は… 何度か目をパチパチと瞬きをする。 「………?」 窓から覗いた薄暗い室内には、机の上でうちの高校の体操服を着た男女が淫らに身を寄せていた。 女の子は男の背中であまりよく見えないが、男の体に開かれた白い足が艶かしくハッキリ見える。 男の方は服を脱ぐことなく、多分ズボンを少しずらして前だけ出しているんだと思うが、何度瞬きしてもその姿は―― 有紀にしか見えなかった。 それにユキちゃんといえば、有紀が用事があると二人でどこかに行った子の筈だ。 「あ…ァ……だめ、有紀くん…おかしくなっちゃう…!」 「いいよ?俺結構スキだよ、そういうの」 「ほんとっ…?じゃあ、じゃああたしと付き合ってく、れる…っ?」 腰の動きに合わせて、ユキちゃんの息がつまる。それでも、なんとか最後まで言い切った台詞に耳を疑った。 付き合ってくれる?て… まだ付き合ってないってこと? そんな関係でこいつら何やってるんだ。

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