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番を作ることと、セックス依存症になんの関係が。首を傾げたくなる。というか多分無意識に傾げてしまった気がする。 「ごめん、いまいち意味が分からない」 正直に伝えると有紀は小さく笑った。 「番を作ることにメリットがあるのはΩだけじゃないんだよー?αだってΩと番になることで精神的に安定するし、番以外のΩのフェロモンに反応しなくて良くなるもん」 「精神的な安定…」 「そそ。だから俺が治るにはリクが番になってくれるしか方法はないの!」 「俺と…って、なんでだよ」 ふむふむなるほど、と(ようや)く理解し始めていたというのに、締め括った最後に反射的にツッこんでしまった。 番を作ることで精神が安定して、不安からくる性行為へと走る欲求が収まるところまでは理解できた。βにはないαやΩ独自の治療法だと思う。が、何故俺に繋がる。 「だって俺リク以外のΩと番になる気なんて皆無よ?まさかこんなに早く再会できるとは思わなかったし、リクΩだったしこれは運命だよ!なんか俺に特別な気持ち湧かない??」 「…別に普通だけど」 「普通ぅ?」 後ろから有紀の不満気な声が聞こえる。 「俺は生まれた瞬間からリク見てビビッときてたのにい〜」 「………もういいか?寝るぞ」 スリスリと後頭部に頭を擦り付けながら適当なことを言い出した有紀の両腕を掴んで、体から離す。そのまま万歳の状態にさせて立ち上がった。 「ほら、奥行けよ。お前寝相悪いんだから」 「警戒心ゼロじゃん」 「ていうか俺変なことするなって念押ししたよな!?」 「変なことしたら帰るんでしょ?もう帰ってるからいいかな〜と思って」 「……お前マジで…はあ」 なんという屁理屈。これっぽっちも悪びれない態度に怒る気力を失い、もういいやと電気を消してほぼ無理矢理ベッドの奥へと押し遣る。「きゃー、やだー」なんてふざけながら有紀は壁際に寝転んだ。 俺がベッドに潜り込むと自然な動作で有紀の両腕が背中に周り、ぐいっと引き寄せられる。 「有紀」 「ぎゅってするだけ」 言葉通りにただ抱き枕のように抱きつかれてつむじ辺りに顎、目の前には首筋が写る。少し痛いぐらいにギュッと腕を回されて不意に懐かしさを覚えた。 そういえばこいつ―― 「…今日、なんかあったのか?」

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