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放課後、叶と別れて俺は図書室で勉強する為、廊下の端をトボトボと歩いていた。
図書室は勉強するには最適だ。資料は豊富だし、分からないところがあればすぐに先生に聞きに行ける。
そして、何より図書室は静かだ。
家には年の近いうるさい妹が居て全然集中して勉強ができない。
だから俺はテスト前は学校が空いてる間ずっと図書室に篭って勉強するのが定例になっていた。
「……はぁ…憂鬱…」
独りごちる。ただでさえ勉強が得意な方ではないのに、1人でテスト勉強をしないといけないなんて。
叶も一緒にテスト勉強してくれたらいいのに…あいつは俺と違って尊敬するほど頭がいい。今日の放課後も1人で勉強するんじゃなくて、本当は教えて欲しかったんだ。
もし良ければ勉強を教えて頂けないだろうか、と物は試しとお願いしてみたのに、「今日この後デートなの~。ごめんね!」とあっさり断られてしまった。
そりゃあそうだよな。男の友人の勉強見るより、可愛い彼女と美味しいケーキ食べてたいよな。分かる分かる。でも俺は今誰よりもお前と居たかったんだけどな…!!
ひっそりと逆ギレしていると、視界の端に派手な制服が映った。一応制服とは呼んでいるが、果たして制服としての機能を果たしているかは謎なほど着崩した格好に、ワックスで遊ばせた金色の髪。
あんな格好をしているのは、なんの運命の悪戯か…俺の恋人となった狩吉さんぐらいのものだ。
いや、もちろんその他不良の方々も在籍されてはいるんだけど、あそこまで目立つのは狩吉さんしかいないんだよね。
今までの俺だったら確実に寄らぬ触らぬで避けて通っていたが、今は前と状況が少し違う。
何となく気になって狩吉さんの姿が見えた場所にひょっこりと顔を出してみた。
出しながら、もし不良の溜まり場だったらヤバイなとストップをかけ、結果片目だけ覗かせる凄まじく怪しい覗き方になってしまった。
「…!」
覗いた先はありがたいことに不良の溜まり場では無く狩吉さんが1人で居たのだが、やっていた行為に少し驚いた。
「あ、安成ー」
片目しか出していない家政婦は見たスタイルの俺の存在に、何故か狩吉さんはすぐに気付きヒラヒラと手を振ってくる。存在バレるの、早っ
「あの…」
「んー?」
「………煙草…バレないの?」
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