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「や、あの…全然大丈夫、ですよ?気にしてませんから」
「すっ、すんません!!!でも、今は春さんセフレ全部切ってっし!あの!ほんとに…!」
子犬くんが青冷めて立ち上がった後ガバッと腰を落として俺に頭を下げた。見事な90度だが、勘弁してほしい。
「わーーー!!!やっやめてください!ほんとに!ほ、ほんとに俺気にしてないし、セフレがいたこと知ってますから…!か、顔をあげてくださいいいい」
「いやいや俺いらんこと言いました!どうしよ…っ春さんに殺される…!!」
子犬くん同様に立ち上がり目の前でぶんぶんと手を振るが、彼はそれどころではないようでどんどん顔色が悪くなっていく。一体どれだけ春さんが怖いのか、気持ちが分からない事もない俺なので言葉に被せるように、大丈夫だから!!と叫んだ。
「俺っ、春さんには何も言わないから!何も言わないと言うか言うほどの事でもないし…お願いだから謝るのやめてください!」
「でもっ…!」
「テツー。仲花クンもそう言ってくれてんだし、もう座れ。うっせえ。そんな騒いでたらそれこそ春になんか言われんぞ」
「うぐぇっ」
収拾が付かなくなってきた状況に、早妃くんが面倒くさそうにガッと子犬くんの頭を掴んで無理矢理、顔を上げさせた。グキと変な音がしたが…気にしないでおこう。
「そもそも春にセフレがいたなんてみんな知ってんだろ。なあ、仲花クン」
「そ、そうですね…有名ですし」
子犬くんがしょんぼりしながら椅子に腰掛けるのを見て俺もようやく椅子に座り直した。
「で、どーなの?」
子犬くんの隣に居た人が、おめぇほんとバカだよな、と子犬くんの頭をグリグリしてるのを見ていたら隣から愉快そうな声が飛び込んできた。
横を向くと早妃くんが、にやにやしながら片肘をつき頬に手を当て俺を見ている。まだこの表情の方が本当っぽい。
「春、あんたの前じゃどんな感じなの?」
あ、その話続いてたんだ。
どんな感じと言われてもな。どんな感じ…
「…や……優しい、かな」
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