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写真よりもイチゴが大きくて美味しそうだ。俺も頼めばよかったかな、とつい思ってしまったが今はそこまで食欲が出ない。
「ありがとうございます。食べていい?あ、あざす」
目を輝かせる桃哉くんにスプーンを手渡すと、嬉しそうにお礼を言われた。春さんは甘いもの好きじゃないから、不思議な感じ。
「貴重なミクたん好きの友達だったんですけど2人が付き合いだした所為で、俺その子とミクたん鑑賞会できなくなって…今思えばあれは惜しいことをしました」
「?…なんで鑑賞会できなくなったの?」
ところどころでミクたんへの愛を挟ませてくるあたり、相当なミクたん好きなのが伺える。そういえば雑誌も2冊買ってたし、1冊は保存用とみた。
パフェのてっぺんにあるイチゴをクリームごと掬って口に含む。満足気に頷くと桃哉くんは話を続けた。
「兄貴ってめちゃくちゃ独占欲強いでしょ?なんとなく察してますよね?だって弟の俺があなたと話してるの見ただけで、あんなに不機嫌になったんですから」
「…うん…なんとなく」
「んで、独占欲強いとどうなるか。もちろん束縛も強くなっちゃうわけですよ」
ザクッと長いスプーンをグラス底まで押入れ、コーンフレークにぶつかったのか砕ける音が聞こえた。
独占欲。束縛。
恋愛経験の乏しい俺にはあまり縁の無い単語だ。叶も今の所彼女とラブラブだから、嫉妬とかそんな話聞いたことないし。
「束縛がね、それはもう酷かったんですよ。一回その子に泣きつかれたときに聞いたんですけど、携帯の連絡先で男を全員消されるのは当たり前。俺とミクたん鑑賞会なんて許すわけもないし、女友達と遊びに行く時でさえ誰と行くのかとか何時に帰るかとか逐一報告しないといけないし、酷い時はその場に現れたり、ね」
典型的な地雷でしょ?と桃哉くんが呆れたように笑う。
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