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★麻也王子のお薬事情→19-8

「大丈夫ですか? 」  マスターも離れていたので、麻也はほっとして打ち明けることができた。 「…大丈夫じゃないみたい…」 その時、麻也は気づいた。 「そうだ、あの薬、鈴木さんまだ持ってるよね? ほら、気分悪くなったらどこでも飲んで良いよって薬…」 「ああ、はいはい…」 鈴木がケースを取り出して白い錠剤1つを渡してくれると、マスターに水を頼もうとしてくれたが、 麻也はマスターがその時グラスに注いでいるのを見て、自分もグレープフルーツジュースがいいと言って、 うまく鈴木の陰で、人から見えないように薬をのんだ。 水を飲んでいると見られると、酒に弱いように思われて、嫌だったし… その薬が前の病院でもらった薬で、今の薬と飲み合わせはどうなんだろうと思ったのは、 鈴木だけが須藤に呼ばれて席に戻ったのを見届けてからだった。  自分のテーブルに戻るのは面倒になってしまった麻也はその場所に止まってしまったが、 右手後方からの男女のファンらしき視線とささやきにはイライラを感じ始めていた。  少し手が空いたらしいマスターが当たり障りのない話をしてくれたが、 イライラは消えない。 そのうちまたマスターが離れていって一人になると…疲れもどっと出てきて… (…帰りたいかも…) そう思い始めた。 (…諒に迎えに来てもらいたいかも…) それで、電話をかけに店の外に出た…  ビルの廊下に出て、その明るさにいきなり、くらっ、とした…  麻也さん、どうしたの? 大丈夫? …諒じゃない…誰…? 自分は座り込んでる…?

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