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★麻也王子の空白の時間→19-10
しかしすぐ我に返ると、諒は震える手で麻也の番号に電話した。
が、留守番サービスに切り替わってしまう。
それでもメールなんてまどろっこしいと、諒は何度も諒はリダイヤルし続ける。
そのうちに、諒は恐ろしいことに思い当たる。
(…まさか、あのオヤジ…)
麻也が自分から進んでついて行ったとは思わない。
でも、部下の若い衆でも使ったら…
そこまで考えてしまった諒は、さらに嫌なことを考えてしまう。
(それって 麻也さん酔ってたってこと? )
元々酒には強い麻也だが、体調が悪い今ならどうかわからない。
(…でも俺がいないところでは飲んでるって言うことかよ…)
怒りを通り越して諒があきれそうになった時…
携帯が鳴った。須藤からだった。
<もしもし麻也さんみつかりましたので安心してください。
それでホテルにこれから帰って、真樹さんの部屋で休んでもらおうかと思ってます…>
それを聞いて諒はキレた。
「何だよそれ! 俺んとこに連れてこいよ!俺んとこに寝かせろよ! 当たり前だろ! 」
相手が須藤であることも忘れて、諒は怒鳴りつけていた
<分かりました。すみません。すぐ戻ってそうします。>
須藤がそう確約してくれたのを聞いて、それでも諒は複雑な気持ちで電話を切った。
イライラしながら諒が廊下に出て待っていると、
真樹と鈴木に両脇から支えられ須藤に付き添われて、うつむいたまま、
薄いパープル色のスーツの麻也がややあやしい足取りで現れた…
酔っているとは少し違う。諒は何と言葉をかけていいかわからなかった。
無言のまま、部屋のドアを開け、四人を入れるしかなかった。
「兄貴、取り合えず、ベッドで横にならせてもらおう…」
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