19 / 42
★ほっとひと安心の麻也王子?→19-18
その後、ベッドごと麻也は空いている病室に移され、諒たちもついて行ったが、
真樹と鈴木は業務メールを送信しにいったん病室を出て行った。
建て替えてから間もないらしい新しく清潔な病室に、麻也とやっと二人きり…
だが、いざとなってみるとちょっと気まずい感じが…
(麻也さんホントは怒っているだろうな…)
しかし諒は麻也のベッドの脇の椅子に腰掛けて、そっと左手を取って両手で握りしめた。
すると麻也の方から、
「諒、ごめんね、こんな遅くまで…」
諒はほっとして、
「うん、俺こそ色々ごめんね…」
と、握っている手にいっそう力を込めた。そして、麻也を
「点滴終わったら早く帰って二人きりになろうね。」
「うん。でももういい時間だからここにみんなで止めてもらいたいかも…」
結局、ホテルの部屋にたどり着いたのは夜明け近く。
諒の目に付いたのは携帯の着信ボタンだった。
「…あれ…俺携帯置いていったんだ…」
麻也を横たわらせてから、諒は留守電を確認した。
真樹からだった
<…諒、今夜は 色々ごめん。あのね、兄貴は着衣の乱れもなかったから安心して。
あと、最後の記憶は、諒に電話しようとしてたことなんだって。
そんな兄貴共々これからもよろしくお願いします。>
ともだちにシェアしよう!