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★麻也王子に誘われる諒→19-27

「車椅子のメーカーが見つかったって、鈴木さん言ってたのに…」 と、不満そうな麻也はケータイに手を伸ばそうとする。それを諒は止めた。 「麻也さん、明日でいいんじゃない? 移動疲れを取ることにしようよ。」  麻也はこれまた不満そうに携帯を置いた。  でも諒はそれには構わず、薬はのんだの、と尋ねると、麻也は困ったように、 「いや…今夜はのまないでみようかと…」 「えっ? 何で? 大丈夫なの?」 麻也はますます言いづらそうに、 「今日と違って明日はずっと忙しいから、朝からみんなと一緒に動けないと困るじゃん。」 「そうだけど、俺が絶対、起こしてあげるから、のみなよ。眠れないのつらいじゃん…」 すると麻也は瞳を輝かせ、 「えっ?  諒、今夜は俺を眠らせられないの? 」 ビーバーのような、白い前歯までもが可愛い… ん、もー、誘いやがって…

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