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★笑みを失う麻也王子→19-29

「ううん、何でもないよ。」 諒は笑ってごまかそうとしたが、ちょうどよく麻也の方もはにかんだ表情でささやいてきた。 「...諒、今日はミルクがけで...」 「あれ?マッサージはいいの?」 「うん...」 麻也は諒の首に腕を回すと甘い声で、 ...諒がイクとこが見たい... .と、ペろっと耳を舐めてきた。 それは 何だか嬉しかった… さらに麻也の男性ばなれしたしなやかな白い長い腕を独占していると思うと、 諒は瞬時だけ、不快を忘れた…  次の朝は…麻也はいつも以上に寝起きが悪く、諒は起こすのに苦労した。 「…やっと…寝付いたとこだったんだ…」 一度は眠りに落ちたのだが、その後はうとうとで…と言う。 諒も、麻也が起き上がれそうにないのを見て、 「ギリギリまで部屋で休む? 」 「いや…ちゃんと水で…」 と麻也は強調すると、 「…朝の薬のんで、それでもダメなら、昨夜の、非常用の薬のんでみる… まあ、徹夜明けと思えば…」 と言いながらもまだ横たわっているのを見れば、かなりつらいのは伝わってくるが… でも麻也はそこで可愛らしい笑みを浮かべ、 「でもこの調子だったら車椅子なしでもいけるんじゃないかな… ただ今日のように、前の夜の薬を飲まなければって言う限定だから。 でも、何て表現したらいいのか、このぶつぶつしたイライラみたいなのが出てくるのが本当に気持ち悪いんだよね… あとライブが連チャンになったら…」 わからないけど…と言いながら、麻也は素肌のままの腕を、同じように素肌のままの諒の腕に伸ばし、ぎゅっと掴むと、 「諒、ほんとにごめん。でも、絶対ツアーは続けるから…ライブの時間の長さはこれまで通りでお願いしたいけど…」 そして、悔しそうに、 「…打ち上げ、か…二次会は厳しいな…」 「いいよ、麻也さん、俺が行っとくから…って、でも麻也さんと一緒にいたいしな…」 「大丈夫だよ。一人でこうやって転がってるから。」 「いや、後藤くん留守番でつけるけど、そういう問題じゃなくってさ! 」 すると麻也はくすっと笑い、 「今日が終わればオフなんだから…」 と言い終えた麻也からは、なぜか笑みが消えていた…

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