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★笑顔でボケをかます麻也王子→19-31

 しかし、いつもと違い、笑顔はあるものの、王子らしいフリルシャツやスーツではない麻也の姿に、 ちょっと不安げな表情のファンが見え、その雰囲気はあっという間に客席全体に広がっていく。 そこは予想どおりだったので、諒が明るいステージから満面の笑顔で、 「…もう、今夜は熱いっ! それで、麻也たんも特に、ね、こうやってTシャツになっちゃいました!」 スーツの美学忘れたの、みんなのせいだからねっ! と諒が茶目っ気たっぷりに叫ぶと、 麻也もふざけて自分のスタンドマイクから、 「あぁ…忘れてたあ…」 と笑顔でボケをかまし…  それを聞いてほっとした様子の麻也のファンたちは、麻也ちゃん似合う~と安心して口々に声をあげ、客席全体で拍手… 「…じゃあ、Tシャツでも突っ込みます。<マジェスティック・クラウド>! 」 「キャーッ!!」 …ギターソロの魔法のキスの際、麻也のシャツの中を諒の美しく長い指が這いまわったのは言うまでもない… …麻也はみんなが打ち上げに出ている間、鈴木に付き添われて、病院で点滴を受けると、 そのままホテルの部屋に戻って休んでいた。 一人になりたくて、鈴木は無理やり部屋から追い出していた。 (…東京に帰ったら、オフの間は諒を自由にしてあげたいな…) 実家にでも帰るか...それとも入院の方がいいのか、麻也はベッドの上で悩んでいた。 (まずは今夜の薬のんだ方がいい? )

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