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第3話

「美織・・・。」 妹はシーツに包まりガタガタと震えながら声を出さずに泣いていた。 俺が妹に触れようとするとビクッとするから側に座って落ち着くまで待っていた。 こんな・・・母さんになんて言えば・・・・。 「い・・いわ・・・ないで・・お母さんには言わないでお兄ちゃん。」 「み・・・美織。どうしてだよ!!」 そんな殴られて顔が腫れ上がりあんな事をされてまで母さんに話さないなんてどうしてだよ。 「お・・お母さんが悲しむから・・・だから・・言わないでお兄ちゃん。」 「美織・・・・・。」 美織は自分よりも母さんの事を考えるんだな俺にとって2人は大切な家族だ。 だからこれからは俺が2人を守るよ。 「分かった。俺と母さんが居ない時は義父と2人っきりになるなよ。部屋には鍵をかけておけ美織。」 「うん。ありがとう・・お兄ちゃん。」 「俺がお前を守るから絶対に約束だ。」 その日から俺は美織を守る為に放課後は直ぐに帰宅する様になった。 けれど帰宅途中で他校生に絡まれて帰宅が遅くなった日の事だった。 くそっ! 喧嘩は避けたくて逃げて隠れたが他校生は俺を探して辺りをウロウロしている。 早く帰りたいのに最悪だ。 「佐久間、何してるんだ。」 背後から名前を呼ばれて見つかったと思ったが振り返ると担任が恐い顔をして立っていた。 「先生・・・その・・・・・。」 「また喧嘩か?」 「まだしてない。」 「してない?」 担任の先生は言葉遣いが悪いと鋭い目つきで睨みをきかせる。 「まだしていないです。する気もありませんから逃げて隠れてました。」 「だろうな、アイツら捕まえて説教しておいたから帰るぞ佐久間。」 捕まえて説教? アイツらは学校の先生だからと大人しくする様な奴らじゃない。 そんな奴らを捕まえて説教ってコイツなんだよ。

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