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第17話

「先生とずっと一緒に居たくて同じ教師になろうと思ったけど、やめました」 樹の言葉に、ギクリと陽介の肩が震えた。 要らぬ悩みを押し付けた罪悪感と自分のことを忘れていなかった嬉しさと同時に、これから告げられるだろうハッキリした別れの言葉を思い、唇を噛んだ。 「学校での恋愛はスリルあるけど、色々面倒だったし。だから、近くの会社にしました。そのために、学部も変更しました」 樹が何を言いたいのか分からない。一向に告げられない言葉に、陽介は眉を寄せた。 「そういうのもあって、俺、単位落としちゃって。一年留年して、実は、先週卒業式だったんですよ」 「え … ?」 しかし、予想外の言葉に、陽介は小さく声を上げた。 「ちなみに、就職は高校の近くにある証券会社です」 「 … 」 「だから、先生に会いに来るのが、こんなに遅くなっちゃいました」

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