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第35話
本当にキレイな体…
ぼーっとひたすら見惚れていた
「もう…美空くん…見過ぎ…」
気付いたときには顔がすぐ間近にあって唇を奪われた。それはすぐに離れていってしまったけれど
「あっ…」
「ごめん。嫌だった?」
「驚いただけ…」
「そんなに見詰めるからつい…ね。俺も一緒に浸かっていい?」
「はい」
二人で入るにも十分な広さの湯船に二人して並んで浸かる
「美空くん。明日はお父さん帰るでしょ?」
「はい」
「寂しいなぁ…」
「何ですかそれ」
「何時に帰るの?」
「夕方。17時頃と言ってましたけど…その時間に帰れるといいけどな…」
「大丈夫だよ」
璃人さんが優しく言ってくれた
「美空くん先あがりな。のぼせちゃうよ」
「え?あ…はい…」
「ん?」
「あ…いえ…」
「着替え置いておいたから」
結局キス以外何もなく時は過ぎる
本当に何を考えているんだろう…
ぼーっとソファーに座っているとうとうとしてしまっていた
「美空くん。風邪引いちゃうよ」
「んっ…おかえりなさい…璃人さん…」
「また髪乾かしてないし…世話が焼けるなぁ」
嫌な顔ひとつしないで今日も丁寧に乾かしてくれた
「よいしょ」
乾かし終わると今度は俺を横抱きにして寝室へ運ぶ
「おやすみ。美空くん」
そのまま出ていこうとする璃人さんの服の裾をきゅっと掴んだ
「どうしたの?」
「お仕事?」
「うん。」
「そう…」
「何?寂しい?」
「うん…」
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