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第38話
璃人さんの車が見えなくなるまで見送っていた。
結局何がしたくて脅してきたのかも何もわからない…
家に入ってからもモヤモヤしていた
悩んでいたらもう父の帰る時間だった。
早速呼び出されてしまうのだろうか…
そして…また…父と…
「ただいま」
「おかえりなさい」
「美空。解放されたよ」
「え?」
「今日円山の社長がわざわざ会社まで来て謝罪してきた。契約はこれまで通りで連中は海外に。画像は全て消去したそうだ。それと…昨日一昨日とここに連中が来てお前を代わりにと言う輩がいたようだ。たまたまとはいえお前が家を開けていてくれてよかった。」
「そう。」
「なんか社長の息子さんがたまたま発見してくれて信頼できる社員といろいろ動いてくれたみたいなんだ」
「そうなんだ」
「だから…安心して…これまでごめん…」
「父さんがもう大丈夫ならよかった。俺は大丈夫だよ。男だし傷だって深くないから。」
父の言った通りその後呼び出しがかかることはなかった。
そうして数ヵ月…
父も安定していき体を重ねることはあの日以来なく、父は母がいないことをしっかり受け止め今は俺を見てくれている
ふと、璃人さんの言葉をふと思い出す
「明日からきっと大きく変わるから…だから…今日で最後…」
本当に今さら何で…でも…何かが引っ掛かって…
素朴な疑問を父に投げ掛ける
「ねぇ。父さん。円山の社長さんの名前って何だっけ?」
「円山 壮士さん。どうした?そんなの聞いて」
「息子さんは?」
「それはわからないけど…ただ親のコネだと思われたくないからってわざわざ母親の旧姓を普段から名乗っていると聞いている」
「…っ…それ…わかる?」
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